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ご飯と生活の話をしています

カンテサンスで気が狂ってきたレポ

 

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3月半ばに、念願のカンテサンスに行けたので今更ながら感想をまとめてみました。

 

写真が撮れなかったため、代わりに食べながら発していたオタクの奇声をうろ覚えでまとめた画像でご容赦ください。我ながらミシュラン三つ星のレストランでしていい発言じゃねえ…

 

※カンテサンスとは素材と火入れと味付けを極めたハイエンドのフレンチで、ミシュランガイドにて三つ星を獲得し続けているとにかくヤバいレストランです。

 

・前書き

その卓越した美味しさとともに予約の難しさで知られるレストランですが、電話をかけまくって自力で予約を勝ち取るまでだいたい3ヶ月、胃腸炎やら緊急事態宣言やらで延期すること数回、予約してから半年でようやく来店にこぎつけたのでもう何事もなく当日を迎えられただけでかなり嬉しかったです。1週間前くらいからレポを読み漁りインスタの写真を見まくり、期待しすぎるとがっかりすると思ってがっかりするシュミレーションをしたり、初めて遠足に行く小学生みたいにわくわくしながら当日を迎えました。家族にもめちゃくちゃ言われたし家の中でスキップしてたのは割と反省してる。

ちなみに往復品川駅から歩いて15分くらいなのでタクシーを使いました。住所を言えば着くよ!

 

では早速ですがご飯の話をします!!!


・食前酒

飲めないので〜といったらポールジローのノンアルコールスパークリングをおすすめされました。
これが…これが美味しすぎて……上品な甘さで炭酸がほどよくきいていて、チーズや塩気のあるものとも合わせられるタイプのヤバい飲み物でした……
美味しすぎて後日楽天で注文しました。毎年数量限定らしいので、来年もまた頼もうかな…写真はその時のです。アルコール飲料のようなパッケージなんですがジュースです。

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あとは途中でみかんジュース頼んで飲んでました。レストランで頼むみかんジュースって無性に美味しいよね。


友人はアルコールのペアリングを頼んでたんですが美味しすぎてなんか10年以上の付き合いなのに今まで見たことないくらいテンション上がってました。飲めたら絶対にペアリングした方がいいです。

 

・1皿目(アミューズ

加熱したパン?ビスケットに半生のサヨリベルガモットとか香草が乗ってる一口サイズのカナッペみたいなやつ

正式名称とか全然覚えてないので雑な説明でお送りいたします。カタカナ続くと死ぬ。

口に入れた途端、広がる香りの素晴らしさと、一口なのに冷温の概念が同時に存在していることの恐ろしさに震えました。初手から顔面殴られた感じです。
身もふたもない言い方をすれば、香りがめちゃくちゃ良くて香ばしいパンになんかうまい魚乗せて食べてる…という…でも完成度が違いすぎて…これがカンテサンスか……と思いました……つよ……香りや味も咀嚼することに表情が変わって、これ計算しながら作ってるのかと思うと怖すぎます。

 

・2皿目(たぶんアミューズ

鳩のレバーとキノコの温かいスープ

ベーコンと玉ねぎを丹念に煮て出汁を取ったスープの味がした……ただそれだけじゃなくて、キノコの旨味とよく分からん美味しさに泡のソースが乗ってて香りもやばかったです。同時に酸味強めのパンが出てきたので一緒に食べたらなんかこう……やっぱり完成度がおかしいんですよね、フランスの家庭料理を王侯貴族が真似ようとしたら素材と大まかな調理法は一緒だけどシェフがアレンジしすぎて宮廷料理ばりにグレードアップされてしまった何か……

 

・3皿目(前菜)

炙った牛ミノと文旦とセロリと香味野菜〜ブルーチーズ入りビネガーソース添え〜

急に焼肉屋の高い肉焼いたぜみたいな味のブツが出てきて困惑したがやはり美味しかった…濃いめのタレっぽい味付けだったけど、肉食らえ!というほど強い味でもなく、かつセロリとか文旦の苦味と香り、そして香味野菜の香りに春を感じましたね……ミノが美味しすぎて永遠に噛んでいたかった……

 

・4皿目(スペシャリテ

山羊乳のババロア

食べログとかGoogleとかでカンテサンスって検索すると真っ先に出てくる白いやつです。
山羊のミルクとオリーブオイル、塩にマカダミアナッツと百合根を添えたやつ。これ、カテゴリ的にはモッツァレラやブッラータチーズに高いオリーブオイルかけて食べるものの最上位互換といえるんですが、山羊のミルクの味が他のチーズとは全然違ってて(クセがあるわけではなく)もっと別種の美味しさだった……もったりしがちな食感の中に百合根とマカダミアナッツが入ってくることでバランスが取れててとても良かったです。
カンテサンス、単品の中に冷温とか食感の違いとか香りとか色々なものを取り入れていて、単品の中でもちょっとずつ雰囲気が変わるので本当にすごい。同じ品食べててもだれないというか、新鮮さを失わないというか……

 

ちなみに本品のシェフの関連インタビューはこちら。
【カンテサンス】岸田周三シェフが語る、未来に向かって実行すること、変わらないこと │ ヒトサラマガジン

 

・5皿目(もはや皿の名前が分からない)

鱈の白子を湯通ししたものに香草を刻んだものと酸味の強いソース

最後に揚げたてのピーカンナッツをを目の前で足してもらった……多分基本原理は白子ポン酢に近い気がします。白子ポン酢食べたことないけど……それにピーカンナッツをぶちこんでまったりした冷たい中に対照的な熱要素とカリカリの食感のアクセントを入れてめちゃくちゃ美味しくなってるの、天才すぎる……

 

・6皿目(俺たちの前菜はまだまだこれからだ)

ホタテとキノコとキャビアの薄いパイ包み、セップ茸の酸味の効いたソース添え

置かれた瞬間にパイのいい匂いとホタテのいい匂いがしてその時点で大勝利を確信したんですが、中に入ってるホタテとキャビアの火入れの絶妙さとホタテの甘みがしっかり出ているところにヤバみを感じました。当たり前だけどそれぞれのベストな火入れってタイミング違うよね?それぞれの最適解が並んで出てるの怖すぎませんか…


当然ながらパイもサクサクで美味しかったです。フランス料理のお店のパイってなんかめちゃくちゃ美味しいよね…バターのプロだから…?

 

・7皿目(魚料理)

春の魚でした(魚の解像度が低すぎて覚えていない)にネギとヘーゼルナッツとなんかのソース、付け合わせにちぢみほうれん草のラビオリ、レモンとオリーブオイル風味

魚を食べる時いかに何も考えてないかが分かってしまって恥ずかしいのですがなんか…春だなと思った記憶はあります……普通に美味しかったのですが、今までの秀逸具合と比較するとなんだかもったいないなという感じが、と言ったら同行した友人に日本で育つと美味しい魚食べ慣れてしまうから判定が厳しくなってしまうのでは?などと言われてなるほどなと思いました。魚は難しいですよね……

 

・8皿目(肉料理)

蝦夷鹿を低温調理したものにさっぱり目のソースを合わせて、付け合わせはブロッコリーとかの春野菜に多分豆のソース?

どっちも洗練されてるけど素朴に見せてるタイプのやつだった 鹿は噛めば噛むほど味がちょっとずつ変わっていってずっと食べてた…これは好みなんですが魚のが好きな味でしたね。

 

・9皿目(プレデザート)

ふきのとうのソルベ、アクセントにオリーブの種をカリカリに焼いたものを添えて

正直私は味としてあまり好きじゃなかったんですが、さわやかな甘味から入って最後で苦味と春野菜の青臭さをブワッと出せるのは天才だった…好みかどうかは置いておいて完成度が高すぎて震えましたね…春じゃん…
ピーマン苦手なお子さまには早かったです。私からは以上です。

 

・10皿目(デザート)

いちごのショートケーキ

いわゆる普通のショートケーキではなく、いちごを半分にした上にアーモンドの薄いスポンジとたっぷりの生クリームを乗せたスイーツ!!いやこれは正統派で美味しかったし生クリーム完全にケーキ屋さんのアレだった…(私はエーグルドゥースのあの生クリームを思い出しました)
中に薔薇の香りの金平糖が仕込まれてて、いちご、アーモンドと全部バラ科で揃えてたのめちゃくちゃ……オタクに刺さった……私こういうの大好き……
この皿だけ割とマジであと3皿くらい出して欲しかった…

 

・11皿目(デザート)

栗のガレット、マスカルポーネ風クリームを添えて

デザートが3皿あるのめちゃくちゃ良くないですか?デザートの皿が多いの大好きです。
温かいタルトと栗に冷たいクリームとサクサクのサブレみたいなのが乗ってて……もう全部美味しかった、栗の柔らかい甘みが余すことなく引き出されててガレットの甘みとクリームの割合もお互いを引き立てあってて完成されていた感がすごかったです。

 

・12皿目(デザート、スペシャリテ

メレンゲと塩のアイス

普通に塩を入れると塩味が均等につかないから海水のような塩水を周りに吹きかけたという説明でシェフのこだわりの強さに震えました。すごいわ。
塩水はいわゆるスイカに塩効果を狙ったやつです……メレンゲアイス単体でも爆シャブだったのに塩で甘みが増幅+磯の香りで日本海の幻覚を見た、香りで空間を想起させるのレベルが高すぎるしめちゃくちゃ美味しかった……

 

・食後のプチフール

アーモンドのサブレと紅茶

正確には皿ではないのですがサクサクのサブレがめちゃくちゃ美味しかったです!!なおここで胃がキャパオーバーしてお腹いっぱいというかこれ以上もう入らん状態になってしまった……最高に幸せだった……

ちなみに会計はノンアル2杯で3.5くらい、ペアリングで5とかでした。高い、わかる、でもまた行きたい。


・総括

やばかった、あれは単なる食事じゃなくて最高レベルのエンタメですね…………舌が肥えてるわけでも食事についての知見があるわけでもない素人ですが、それでもこだわりとかすごさとかが伝わってきて、満足感というよりも衝撃的な体験でした。言葉を選ばずに表現するならほとんどトラウマです。
ちなみに後遺症として同行した友人はしばらくフレンチに行けなくなり、私はフレンチに行くものの何かを食べるたびにカンテサンスのことを思い出す羽目になりました。

いや、おいしく感じるのは変わらないんですよ…次の日残業しつつカップ麺も普通に食べられたしフレンチもきちんと美味しいと思えるんですけど、今までの尺度でMAX星5つでいうと4つとか5つで満足していたものが、カンテサンスで上限を7つまで引き上げられてしまったので同じ星5つでもあんまりびっくりできなくなっただけで…………

異常に神格化しがちとも言われるかもしれませんが、個人的には味覚的にかなり好みというか、刺さるレストランだったのでかなり偏った感想かもしれません。

 

ちなみに最近はカンテサンスの卒業生の方のお店を巡っています。といってもまだそんなに回れていない…

肝心な部分は任せない!「カンテサンス」岸田流人材の育て方 - 料理王国

クローニーはもともとめちゃくちゃ好きで、アルゴリズムはノンアルペアリングが充実してるのも含めて(コーンスープが出てきたんですよ)最高に美味しかったです。

 

そしてシェフがグランメゾン東京の監修をした時に料理の話とかを色々しているのはこちら

最上の饗宴|TBSテレビ:日曜劇場『グランメゾン東京』

 

・もっとお手軽に楽しめないんか

下のリンクからケーキが買えます!チーズケーキを頼んだんですが、めちゃくちゃ美味しかったです。
食べてみてお気に召されたら、ぜひお店の方にも行ってみてください。

カンテサンス ご自宅配送(ガトーオーコンテ)のご予約 - OMAKASE

 

これは食べた時の写真

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というわけでそろそろ5000字に届きそうなんでやめておきます。長々とお付き合いくださりありがとうございました!