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カカオからチョコレート作ったレポ

ごきげんよう!先日フリーテーマの全社プレゼンにてサロンデュショコラをテーマにしてそこそこ好評を得ると同時にうっすらやべえ奴感を植え付けることに成功したオタクです。

さて、先日、同僚に「チョコレートを作ったりはしないんですか?」と聞かれまして。

ご本人的には「チョコレート菓子」というニュアンスだったと思うのですが、私は「チョコレートそのもの」と誤認してしまい、ふとオタクの妙なプライドが炸裂したんです。

「こんなにチョコレート好きなのにカカオからの製造過程を体験してないってヤバくない!?」(※編注:別に何もヤバくないです)

 

というわけで昔から存在だけは存じ上げていたダリケーさんのカカオ豆から手作りチョコレートキットを注文しました。

www.dari-k.com

 

普段高いチョコレートばっかり買っているので3000円以下で買えることに驚きました。カカオって…本当にそんなに高くない…?(脳裏を過ぎるさまざまなチョコレートの問題)

あんまりカカオからチョコレートを作る機会もないので、過程を残しておこうと思います。今のところめちゃくちゃ疲れたから2度と作らん!製作者に感謝して買う側でいようと固く決意していますが、数年後にリベンジマッチしたくなった時のための記録も兼ねています。

 

忙しい方向けのまとめ

・一日ほぼ潰れる
・圧倒的労力を要する
・買った方が早いし美味い
・全世界のチョコレート作りに携わる全ての方への感謝の気持ちが溢れる

 

1.豆の洗浄

カカオ豆の皮、外側の汚れを取り除いていきます。
米を研ぐ感じで結構ガシガシ洗う。実家暮らしが長すぎて調理実習ぶりの〝研ぎ〟だったんですがなんとなく覚えててよかったです。

 

水が汚れなくなるまで、って書いてあって目安時間も5分だったんですが多分深追いすぎて30分くらい格闘していました。愚か。

水分を完全に飛ばして次工程の焙煎に移るため、ざるに上げて一晩放置しました。

 

2.焙煎

フライパンでひたすら炒り続けるだけの簡単な作業です。Twitterで虎に翼はいいぞ!!と呟きながらやってたけど普通に30分?とかかかりました。

虎に翼はいいぞ。

www.nhk.jp

今回の敗因、焙煎不足による砕きにくさもあったので申し上げますと、豆によって火が通ってるやつと通ってないやつがあるので割としっかり目に焙煎した方がいいです。個体差があるので時間の目安を参考にしすぎず、足りねえなと思ったら追加で焙煎する勇気が大事。あとが楽になります。


3.皮むき

外側の皮をパリッとさせて皮をむいていきます。ピーナッツの殻みたいに割りやすい個体と割りにくい個体があり、むいても薄皮みたいなのがついてるので割とサッとはできないんですが、多分しっかり焙煎すれば大丈夫。

火を入れすぎると中身のカカオがぼろぼろ砕けるんですが、砕けて大丈夫なやつなので安心して砕いてください。次の工程でも粉になるまで砕き続けるからどうせ結末は一緒!!

中身が小学生なのでここで一つ味見したんですが、めっっっっちゃ苦くて焦げてるコーヒー豆、但し香りはチョコという感じでした。ウェッてなる。

 

大河ドラマ観ながらやったので45分くらいかかりました。光る君へ、毎回面白すぎるのでぜひ見てください。やばいよ!!

www.nhk.jp

 

4.砕く

フードプロセッサーなる文明の利器はうちにはないのでひたすらすりこぎで砕いていきます。


ここはこう、千と千尋のかまじいが薬研で薬をすりつぶしている感じなので「私は薬師…!」みたいなワクワク感を持つことで最初の30分は乗り切れます。
カカオの中に水分が残っているものがあって、上手く潰せなかったこともあり、最後は「腕が疲れた」「もう2度と作らん」「チョコレートメーカー、すげえ」などとキレながら90分ほど腕を動かし続けていました。

アフターはこんな感じ。やめどころがわからなかったので湯煎工程に進みます。

 

5.溶かし&砂糖追加

すり鉢ごと湯煎し、カカオを溶かしていきます。溶けるの!?って思うじゃないですか、カカオ豆って30℃程度で溶けはじめるのでちょっとしっとりします。

とかいいつつここにくるまでに1時間かかりました。床に鍋を下ろして座りながらすりこぎをゴリゴリしていた…

ここに30gの砂糖を追加します。ちょっとしっとりする。

 

6.練る

砂糖を追加したら、ツヤが出るまで練ります。ツヤ、私はチョコレート菓子の経験から「この程度で大丈夫」とピンときたのですが、砕く工程でデカめの破片が多いとツヤが出たのか出てないのか分かりづらいので気をつけてください。意外とすぐ出る。

やめどころがわからなくて1時間で練ってた。最後の方は液体感出てくるのでゴムベラに切り替えていました。

 

7.型に流す

粒が細かいので滑らかさが1ミリもなかったんですが、スプーンで落とすように専用のシリコン型に落としこんでいきました。ロッククッキーの種を天板に落としている時と同じ心持ちでした。

ちなみにこの時余ったのを口に入れてみたんですが、全然甘くないんですよね。チョコ……というより多分昔アステカで飲んでたカカオドリンクの素ってこんな感じなのでは?という。砂糖足したろかと思ったんですが、冷やしたら味の出方も変わるだろうとそのまま冷蔵庫に突っ込みました。

ちなみに粒が原因であるとこのあたりで完全に理解したので、残ったすり鉢をそのまま湯煎して牛乳を足し、溶かしがてら綺麗にしてから茶漉しで漉して飲んだらただの美味しいホットチョコレートでした。

ここまで「あっ失敗した…まあでも全責任は自分にあるからな!!」という覚悟を決めていたのですが、「いいカカオの味がしたから多分チョコも大丈夫なやつだ」と切り替えられたので良かったです。

 

8.実食

一晩冷やして、実食!

この写真を見た友人から「ピーターラビットのこのシリーズって全家庭にあるの?」って聞かれた

 

固まっている分粒のざらつきは気にならなくなりましたし、味が割とチョコになってる…!!!80%カカオのビターチョコっぽい味…!!という謎の感動に襲われました。冷やして固めるだけでこんなに変わるんだなと。
口の中で溶かすとちょっとこう、粒感が残って個人的にはアレだったんですが、家族からは好評だったので悪くはなかったんじゃないかと思います。


最後に

正直悔しさを感じる部分もあり、次はもっとうまくやれる!!という気持ちもあります。でも2度目のチャレンジをしたいかというと大変すぎて別にいいや…の気持ちです。

ただ、本当にやって良かったです。何気なく食べていたチョコレート、作るのはこんなに大変なんですね……これを美味しいチョコレートにしている業界のみなさまは本当にすごい。あと農園からこだわっているショコラティエさんの凄まじさもより身近に感じることができました…!

カカオ、不作で最近価格が高騰しているので、チョコレートも大事に食べていきたいです。

toyokeizai.net

ちなみにパッケージには子供の自由研究におすすめ!とありますが、火も使うし根気もいるので、10歳くらいからチャレンジいただくのが良いかと思います。ご安全に!

あと1日潰す覚悟でやってください。